原爆供養塔の遺骨、名簿の誤記を正し81年ぶり遺族へ 13歳の若本敏明さん、妹の申し出で判明

原爆供養塔の遺骨、名簿の誤記を正し81年ぶり遺族へ 13歳の若本敏明さん、妹の申し出で判明

広島市は2026年10月26日、平和記念公園の原爆供養塔に眠る1柱を、11月に遺族へ返すと決めました。13歳で被爆死した若本敏明さんの遺骨です。名簿では長く「石本敏明」と記されていました。

手がかりは、遺骨と一緒に残っていた封筒でした。「若」の草冠が折れ目に隠れ、「石」と読まれていたことが分かりました。今年の総点検で誤りが正され、妹の三好滋子さん(91)が「兄の遺骨ではないか」と申し出ました。戦後81年での返還です。

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13歳の兄の遺骨が、11月に妹のもとへ帰る

市は名簿を直した後、6月に修正後の名簿を公開しました。数日後、市内に住む三好さんから申し出がありました。市は戸籍謄本と聞き取りで若本さんの遺骨と断定し、10月26日に返還を伝えました。

HOME広島ニュースによると、返還は11月上旬の予定です。市は名前の誤記について謝罪しました。総点検をきっかけに遺骨が返るのは、今回が初めてです。

動画:原爆供養塔の遺骨 返還へ 総点検で名前の誤記判明|HOME広島ニュース(【公式】HOME広島ニュース)

草冠1つの見落としが|81年間の誤記になっていた

供養塔の遺骨は、封筒に入れて骨つぼに納められています。市が公表した封筒の例は、縦長の紙封筒で、中央に深い折れ目があります。氏名は裏側に書かれています。

広島市が公表した、原爆供養塔の遺骨が入っていた封筒の例。縦長の古い紙封筒で、中央に折れ目がある
遺骨が入っていた封筒の例(若本さんの封筒ではありません)。出典:広島市「【参考】遺骨が入っていた封筒(例)」(PDF)

若本さんの封筒では、「若」の草冠がこの折れ目に隠れていました。毎日新聞はこう報じています。読売新聞は、骨つぼの中に「若本敏明」と書かれた紙があったと伝えています。

約40年ぶりの総点検で|37人分の名簿が直った

点検のきっかけは、令和7年(2025年)12月のDNA鑑定です。供養塔の遺髪と遺族のミトコンドリアDNAを鑑定し、血縁として矛盾しないと分かりました。13歳で被爆死した少女の身元が、これで特定されています。

市はこれを受け、氏名が分かっていながら遺族が見つからない813柱の骨つぼを確かめました。市の発表では2026年3月、報道では2〜3月の実施です。

項目 数
氏名は分かるが遺族が見つからない遺骨 813柱
遺髪が残っていた遺骨 52柱
氏名・住所などを直した・書き足した人 37人分
返還が決まった遺骨 1柱(若本敏明さん)

供養塔には約7万人分の遺骨が眠ります。名前が分かるのは813人分で、約86人に1人です(70,000÷813)。修正・追記は、氏名14件、住所など10件、その他19件です。名字の1字や年齢、番地まで直りました。たとえば「栗島」は「粟島」に、「小倉」は「小金」に改められました。

遺髪が残る52柱は|母方の親族がいればDNA鑑定できる

市は条件がそろえば、遺髪と遺族のDNA鑑定を行います。

  • その柱に遺髪が残っている
  • 名簿の氏名と一致・類似するなど、遺族と推測できる人が申し出る
  • 母系の親族が健在である

遺髪の状態によっては、鑑定できない場合もあります。対象となる親族の範囲は、市の母系親族の対象関係図(PDF)で確かめられます。

家族の名前を探すなら|新旧対照表と遺髪の一覧を見る

修正後の名簿は7月に全国の自治体へ送られました。市は名簿のポスターも全国の自治体へ送り、情報を求めています。今年は8月1日(土)〜6日(木)に、広島国際会議場で名簿の公開もありました。

直した37人分は新旧対照表(PDF)に、遺髪のある52柱は遺髪を確認できた柱の一覧(PDF)に載っています。

似た名前や住所に心当たりがあれば、広島市健康福祉局原爆被害対策部調査課へ問い合わせます。電話は082-504-2191です(6月12日の発表資料では082-504-2190)。

家族の手がかりが長い年月を越えて届いた話は、沖縄の親族が見つかった90歳の賀数アデライダさんの記事でも紹介しています。

この記事は、広島市の発表と、毎日新聞・読売新聞・HOME広島の報道(2026年10月26日)をもとにしています。

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国内外の前向きなニュースを、公的機関・研究機関・当事者の公式発表など確かな出典をもとに紹介しています。記事は元の発表を確認したうえで独自の日本語でまとめ、誤りが分かった場合は訂正します。

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