小学生の頃に憧れた琵琶湖の空へ、前年の落選を経てたどり着きました。芝浦工業大学のTeam Birdman Trial(TBT)は、2026年7月25日の第48回鳥人間コンテストに出場。大会唯一の2人乗り人力飛行機で180mを飛びました。
前部パイロットにとっては長年の夢の実現でしたが、飛距離には悔しさも残りました。大学が9月3日に公表した振り返りを軸に、2人乗りを続けてきた経緯、今回の数字、次の挑戦に残る課題をたどります。
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前年の落選を経て琵琶湖へ
鳥人間コンテストは、自作の飛行機で飛距離などを競う読売テレビの大会です。TBTが出場したのは、人がペダルをこぐ力でプロペラを回す人力プロペラ機部門。エンジンの力を使わず、機体を作る学生と乗り込むパイロットが、一度の飛行へ準備を重ねます。
前部パイロットの角田久拓さんは、小学生の頃からこの大会で飛ぶことを夢見ていました。前年もパイロットでしたが、チームは書類選考で落選。大会に出られなかった悔しさを抱えながら、1年間努力を続けたと大学の発表で振り返っています。
今回は2年ぶり21回目の出場です。会場では選手の家族や大学関係者ら約70人が応援しました。自分たちで一から製作した機体で、実際に発進台から飛ぶところまで進んだことが、前年からの大きな転機でした。
大学によると、当日は厳しい天候の影響もありました。前部と後部のパイロットの振り返りは、芝浦工業大学の大会報告で読むことができます。夢をかなえた喜びと、思い描いた結果に届かなかった思いの両方が記されています。
2人乗りの歩みと180m
TBTは1994年に発足し、1998年から2人乗り機の製作を続けてきたチームです。チームの公式サイトでは、現在100人を超える学生が設計・製作・飛行に取り組むと紹介しています。乗るのは2人でも、その後ろには多くの学生が分担する仕事があります。

大学が大会前に紹介した過去の記録と、今回の結果を分けて並べると、挑戦の歩みが見えてきます。
- 2008年:第32回大会で2位。大学が紹介するチームの最高順位です。
- 2017年:第40回大会で6,625.68m。大学が大会前に紹介した最長飛行距離です。
- 2026年:2年ぶり21回目の出場で180m。今回の飛行で残した距離です。
順位と距離は違う指標です。大会の年や天候、機体も異なるため、この数字だけで設計の良し悪しや学生の努力を比べることはできません。過去の成績は大学の出場案内に掲載されています。
後部パイロットの三輪陽希さんは、発進直後にチェーンが外れ、自分の力をプロペラへうまく伝えられなかったと説明しました。約1年間トレーニングを続けて臨んだものの、目標の飛行には届きませんでした。
大会公式チャンネルの当該チームの映像では、長い翼と2人乗り機の姿を確認できます。大学の説明と合わせると、人が力を出すことと、その力を機体へ伝えることの両方が飛行を支えていると分かります。
経験を次の一機につなぐ
角田さんは、TBTで過ごした2年半と仲間との出会いを、今後の財産として受け止めています。三輪さんは機体やチームの課題に向き合い、翌年の再挑戦へトレーニングを続ける意向を示しました。180mで終わった飛行のあとにも、学びを受け継ぐ時間が続きます。
ただし、チェーンが外れた詳しい原因や改修の成果、次回大会の出場は、大学の振り返りからは確認できません。再挑戦への意欲と、改善や出場が確定したことは分けて見る必要があります。
チームは11月8日に大宮キャンパスで総会を開く予定と案内しています。一般公開や展示・体験も予定されていますが、日程は変更の可能性があり、申込みは後日受付予定です。参加を考える方は、TBT総会の公式案内で最新の開催・受付状況を確認してください。
身近な挑戦や学びの話題は、科学・技術の記事でも紹介しています。
この記事は2026年7月10日・9月3日の大学発表と、10月17日に確認したチームの公式案内をもとにしています。
出典:芝浦工業大学「第48回鳥人間コンテスト2026」の大会報告(9月3日)/出場案内(7月10日)/Team Birdman Trial・TBT総会の案内

