寄付は、どれだけの食事になったのか。地域の飲食店を「子ども食堂」として使うこどもごちめしが、2026年6月末までに累計34万食を提供したと公表しました。寄附金は2億3,284万円、登録者は11万人です。9月1日には、PayPayなら1円から寄附できる窓口も増えました。
運営するのは福岡市のNPO法人Kids Future Passport(KFP)です。2023年6月に設立され、7月から活動を始めました。この記事では、数字の伸び方、仕組み、そして残る課題を整理します。
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こどもごちめしはどんな仕組みか
企業や個人の寄附を原資に、子どもにデジタルの食事チケットを届け、登録された地域の飲食店で食事をしてもらう仕組みです。ボランティア頼みの子ども食堂が抱えてきた「人手不足」「不定期開催」「資金難」を、ITで補う狙いがあります。

発表では、地域の飲食店・子ども・支援者の三者にメリットがある「三方よし」のモデルと説明しています。子どもにとっては、決まった日時に会場へ行くのではなく、登録店で食べたいものを選べる点が特徴です。
数字で見る|4か月で何が増えたか
KFPは2026年3月に「寄附金2億円突破」を、7月に6月末時点の食数を、9月に6月末時点の寄附金額を公表しています。時点の違う3つの発表を並べると、伸び方が見えてきます。

| 時点 | 寄附金額 | 提供食数 |
|---|---|---|
| 2月末(速報値) | 約2億611万円 | 311,410食 |
| 6月末 | 約2億3,284万円 | 346,265食 |
| 差(約4か月) | 約2,670万円 | 34,855食 |
2025年8月に1億円を超えた寄附金は、約7か月で2倍になりました。その後の4か月では約2,670万円、食事は約3万5,000食が積み上がっています。
ここで、つい割り算をしたくなります。2億3,284万円を34万6,265食で割ると約670円です。ただし寄附金には食事チケット分や運営費、まだ使われていない分も含まれます。670円は1食の値段ではなく、あくまで目安にもなりません。
- 寄附金額:2026年6月末の累計(食事支援チケット分を含む)
- 提供食数:6月末時点で346,265食(9月の発表では「34万食」と丸めて表記)
- 登録者数:9月の発表は「11万人」、7月の発表は登録の子ども113,363名(累計126,896名)
同じ団体の発表でも、数え方と丸め方が違います。「何の数か」を確かめて読むと、誤読を避けられます。
なぜ子ども食堂の補完が要るのか
KFPが2026年6月に会員へ行った調査では、子ども食堂を「利用したい」家庭が85.3%、実際に利用している家庭は24.7%でした。約6割の差があります。

壁として挙げられたのは、開催場所までの距離、時間が合わないこと、利用対象が分かりにくいこと、周囲の目です。KFPは、子ども食堂の役割を大切にしつつ「時間や場所、周囲の目といった壁を補う支援も必要」としています。回答者はこどもごちめしの会員なので、全国の家庭の平均ではない点に注意が要ります。
夏休みの「30万食」はどこまで進んだか
長期休みは給食がなくなり、食費と調理の負担が家庭にのしかかります。KFPと認定NPO法人キッズドアは、2026年7月1日から8月31日までの合計で30万食を目指すプロジェクトを7月6日に発表しました。
| 項目 | 食数 |
|---|---|
| 目標 | 30万食 |
| キッズドア経由(食材宅配) | 約2万食 |
| こどもごちめし経由(外食・中食) | 11万食 |
| 確保済みの合計 | 約13万食 |
| 未確保 | 約17万食 |
発表時点で確保できたのは約13万食、つまり目標の約4割強です。残る17万食は、企業や自治体の参加を募る形でした。KFPへの参画は10万円からとされています。

8月31日の終了後に、最終的に何食が届いたかを示す発表は、確認した範囲では見つかりませんでした。目標を達成できたのかは、今後の公表を待つ必要があります。
寄附のしかた|Yahoo!ネット募金が加わった
2026年9月1日から、LINEヤフーの「Yahoo!ネット募金」でも寄附を受け付けています。
| 支払い方法 | 最低額 |
|---|---|
| PayPay | 1円から |
| クレジットカード | 100円から |
| Vポイント | 1ポイントから |
頻度は1回ごとか毎月継続を選べます。使い道は、Yahoo!ネット募金の利用手数料を差し引いた残りの90.9%が子どもの食事代、残りがデジタル食事チケットの発行・管理などの運営費です。手数料の率そのものは発表に書かれていません。寄附の前に寄附ページで条件を確かめてください。
残る課題|成果の測り方
公表されているのは、寄附額・食数・登録者数という「量」です。食事を通じて子どもの食生活や家庭の負担がどう変わったかは、これからの課題です。夏のプロジェクトでは、食生活の変化、体験価値の向上、家庭負担の軽減を調べるアンケートを共同で行う予定とされています。
キッズドアの調査では、支援対象の世帯で外食を「週1回以上」する割合はわずか1%でした。食事の量だけでなく、外で食べる体験の差も論点になっています。結果が公開されれば、数字の見え方も変わるはずです。
同じように寄付で食事を届ける別の仕組みは、ドコデモこども食堂の記事とドゲンジャーズ基金の記事でも整理しています。数字の裏にある単位を見比べると、支援の形の違いが具体的に見えてきます。
この記事は2026年9月2日までの発表と公式サイトをもとにしています。団体の公表値で、第三者の監査結果ではありません。
出典:KFP「Yahoo!ネット募金に新たな寄附窓口を開設」(2026年9月2日)、KFP「寄附金2億円突破」(2026年3月17日)、KFPとキッズドア「30万食」プロジェクト(2026年7月7日)、こどもごちめし公式サイト

