布団乾燥機の広告に措置命令 「ダニが死滅する50度」の根拠は認められず

布団乾燥機の広告に措置命令 「ダニが死滅する50度」の根拠は認められず

「ダニが死滅する50度まで急速に熱する」。そう書かれた布団乾燥機の広告に、根拠は示せませんでした。消費者庁は2026年10月20日、布団乾燥機「FLEURISTE(フルリスト)」を売る株式会社giobai(東京都渋谷区)に、景品表示法に基づく措置命令を出しました。

違反は2つです。1つは、ダニの死滅や除菌の効果を実際より良く見せた「優良誤認表示」。もう1つは、お金や商品を渡して頼んだInstagramの投稿を、ふつうの利用者の声のように自社サイトへ載せた「ステルスマーケティング」です。

命令の中身は、違反を消費者に知らせること、再発防止策を作って社員に徹底すること、同じ表示をしないことの3点です。返金や回収は命令に含まれていません。

目次

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何が違反とされたのか

対象は専用アロマカートリッジを含むFLEURISTEで、表示の場は同社のウェブサイトです。消費者庁の公表資料にある表示例と、認められなかった効果を並べます。

広告の表示と、消費者庁の判断(公表資料の別表1から)
広告にあった表示 示していた効果 判断
「ダニが死滅する50度まで 急速に熱し、乾燥させる」 布団の隅々まで温風が届き、50度でダニが死滅する 根拠なし
「アロマ成分配合した ダニ忌避作用」「ダニよけ効果 87.4%」 アロマ成分でダニを強く遠ざける 根拠なし
「99.99%の除菌効果を実証」「黄色ブドウ球菌99.99%除菌」 黄色ブドウ球菌を99.99%除菌する 根拠なし
「User’s Voice SNSでも大人気」と投稿の抜粋 利用者が自発的に薦めている ステマ

広告には試験機関の名前や「すべての箇所で生存0匹」といった試験結果も載っていました。消費者庁は景品表示法7条2項に基づき、表示を裏づける資料の提出を求めました。同社は期限内に資料を出しましたが、どれも合理的な根拠とは認められませんでした。

この仕組みは「不実証広告規制」と呼ばれます。効果をうたう側が根拠を示せなければ、その表示は優良誤認とみなされます。消費者の側が「効果がない」と証明する必要はありません。

不実証広告規制の流れの図解。効果をうたう広告に対し消費者庁が期間を定めて根拠資料の提出を求め、合理的な根拠と認められないか提出しない時はその表示が優良誤認とみなされ措置命令につながる
不実証広告規制の流れ(図解)。景品表示法7条2項と公表資料の参考2から

SNSの投稿は、商品の無償提供と対価を条件に第三者へ依頼したものでした。同社はその一部を切り出し、依頼した投稿だと明かさずに載せていました。消費者庁は、一般の人には事業者の表示だと見分けにくいと判断しました。

消費者庁は公式Xでも同日、この命令を知らせています。

表示はいつから、どれだけ続いたか

公表資料の日付から、表示の期間を数えました。効果の表示は2024年7月11日から9月26日までの78日間と、12月7日、12月8日から16日までの9日間で、合計88日です。SNS投稿の転載は7月11日から12月6日まで149日間、途切れずに続きました。

最後の表示があった2024年12月16日から命令までは673日、約1年10か月です。ステマ規制が始まった2023年10月1日から数えると、表示が始まったのは規制開始の284日後でした。

布団乾燥機の広告表示と措置命令までの流れの図解。2023年10月1日のステマ規制開始、2024年7月11日から9月26日までの78日間の効果表示、同7月11日から12月6日までの149日間のSNS投稿の掲載、2026年10月20日の措置命令
表示の期間と命令までの流れ(図解)。日付は消費者庁の公表資料の別表1・別表2から

命令は、違反が終わった後でも出せます。景品表示法7条1項がそう定めているためです。表示をやめたから終わり、とはなりません。

買った人はどうすればいい?

命令が求めたのは周知・再発防止・同じ表示の禁止で、返金ではありません。今回の資料で確認できるのはここまでです。

命令で決まったことと、決まっていないこと
項目 内容
同社がすること 違反の周知(方法は消費者庁長官の承認が要る)、再発防止策と社員への徹底、同様の表示の禁止、実施の文書報告
命令に含まれないこと 返金、商品の回収、投稿した人への処分
問い合わせ先 消費者庁表示対策課 03-3507-9239

広告を見て買った人が返金や契約の取り消しを求められるかは、購入時の条件や個別の事情で変わります。迷ったら消費者ホットライン188から最寄りの消費生活センターに相談できます。

同社は報道各社の取材に、命令を重く受け止め誠実に対応すると答えています(共同通信、2026年10月20日)。周知の方法と時期は、公表資料の時点では決まっていません。

行政が表示の是正を求め、購入者への案内まで進んだ別の例は、米の表示是正の記事で整理しています。製品の回収や交換の窓口はリコール情報の記事にまとめています。

これから見るべき点

今回の資料に無いのは、販売数と購入者の数、周知の具体的な方法、そして提出された試験の中身です。報道では、提出された試験はダニが逃げられない状態で温風を当てたものだったとされます(通販通信ECMO)。公表資料にその記述はありません。

読者が広告を見るときの確認点は3つです。

  • 「死滅」「99.99%」のような数字に、範囲・時間・試験方法などの条件が添えてあるか
  • 「利用者の声」に、依頼や提供を受けた投稿だと書いてあるか
  • 試験機関名があっても、広告の主張と試験の条件が同じか

効果を証明する責任は売る側にあります。根拠を出せなかった表示が命令で止まった、それが今回の到達点です。

よくある質問

この商品にダニ対策の効果は無いのですか?

命令は「表示を裏づける合理的な根拠が示されなかった」と認定したものです。効果が無いと証明したものではありません。

投稿したインフルエンサーも処分されますか?

景品表示法が対象にするのは事業者の表示です。今回の命令はgiobaiだけに出ています。

返金はありますか?

命令に返金の項目はありません。購入時の返品条件を確かめ、困ったら消費者ホットライン188へ相談してください。

この記事は2026年10月20日の発表をもとにしています。

出典:消費者庁「株式会社giobaiに対する景品表示法に基づく措置命令について」(2026年10月20日)、同 公表資料(PDF)

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この記事を書いた人

国内外の前向きなニュースを、公的機関・研究機関・当事者の公式発表など確かな出典をもとに紹介しています。記事は元の発表を確認したうえで独自の日本語でまとめ、誤りが分かった場合は訂正します。

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