環境省と農林水産省は2026年9月11日、外来種リスト第2版を公表しました。掲載は596種類で、第1版の429種類から167種類増え、約1.4倍になりました。このリストは、掲載されたすべての生きものの飼育を一律に禁止する一覧ではありません。対策や扱い方を考える基礎資料です。
気になる生きものは、リストで区分と利用上の留意点を調べます。あわせて、特定外来生物に当たるかを確認します。この記事では、リストと法律の違い、調べ方、改訂の中身を順に紹介します。
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リストと法律の指定は別
生態系被害防止外来種リストと、法律に基づく「特定外来生物」の指定は別の仕組みです。リストには、法規制のない種類も含まれます。リストへの掲載だけで、一律に禁止が生じるわけではありません。
特定外来生物は、飼育・栽培・保管・運搬・輸入・野外に放すことが原則禁止です。販売や、許可のない人への譲渡も禁止されています。一方、アカミミガメとアメリカザリガニは一部の規制が適用除外です。一般家庭では手続きなしで飼育できます。
種類によって規制や例外は異なります。飼育・移動・防除を考えるときは、環境省の規制の案内と自治体のルールを確認してください。掲載区分だけで持ち帰れる・放せると判断しないことが大切です。

気になる生きものの調べ方
次の順で調べると迷いにくくなります。
- 環境省のリスト公開ページから、動物・植物の第2版を選ぶ。
- 名前を探し、掲載区分や分布、利用上の留意点を読む。
- 特定外来生物に当たるかを、規制の案内で確認する。
- 飼育や移動、防除を考えるときは、種類・場所・目的を整理し、自治体や地方環境局へ相談する。
第2版では、参考情報として「関係する感染症」「防除事例」「他法令での位置づけ」などの項目が加わりました。対策を調べる手がかりが増えています。見分けに迷う生きものは、写真と見つけた場所を記録してください。そのうえで、地域を担当する地方環境局の窓口へ問い合わせます。手続き以外の問い合わせは、環境省自然環境局 野生生物課 外来生物対策室(TEL:03-3581-3351(代表))が受け付けています。
外来種は、海外から来た生きものだけではありません。国内の別の場所から人の手で本来の分布域の外へ移されたものも含みます。国内の生きものも、元の場所から別の川や島へ移さずに観察しましょう。
2015年以来の改訂
第1版は2015年3月に作られました。その後、侵入や定着、生態系への影響について知見がたまりました。生物多様性国家戦略2023-2030で見直しが掲げられ、2023年度から有識者による検討が進められました。
2026年4月2日から5月1日には、案への意見募集もありました。33人から55件の意見が寄せられ、うち52件が有効な意見とされています。寄せられた意見と回答は、末尾の出典から読めます。

大きく増えたのが魚類です。国外由来は55種類から89種類に増えました。国内由来は4種類から25種類と5倍以上です。国内で近い種類を移すと在来の生態系に影響することが、明らかになってきたためです。
ヒメダカ(防除推進外来種)やキンギョ(防除検討外来種)などの人工改良品種も新たに載りました。身近な飼育や利用が、自然とつながっていることを示す改訂です。
596種類の内訳と区分
167種類の増加は、新たな外来種や国内由来の外来種などを加えた結果です。同じ期間に侵入した数や、被害件数・個体数を表す数ではありません。
| 分類 | 掲載数 |
|---|---|
| 動物 | 348種類 |
| 植物 | 248種類 |
| 合計 | 596種類 |
「種類」は、科・属・種など異なる単位をまとめた数え方です。すべてを同じ生物学上の「種」の数として比べることはできません。出典:第2版の掲載種数一覧(PDF最終ページ)
区分は対策の方向で分かれます。侵入や定着を防ぐもの、すでに定着して総合的な対策が必要なもの、産業利用のため適切に管理するもの、の3つです。
総合的な対策が必要なものは、第1版の3区分から「防除推進外来種」と「防除検討外来種」の2区分に変わりました。防除とは、野外から取り除いたり、広がりを抑えたりする対策です。防除推進外来種は被害が大きく、積極的な防除が必要な種です。防除検討外来種は、重要な地域や産業への被害の状況に応じて防除する種です。
普及啓発用のパンフレットなども、2026年度中に作られる予定です。飼っている生きものを野外に放さず、見つけた生きものを別の地域へ移さないことが、今日からできる行動です。生息地の回復に関心がある人には、トンガリロの在来植生を守る取り組みも紹介しています。
この記事は2026年9月11日の両省の発表をもとにしています。掲載数と公式の案内先は10月15日時点のものです。

