松山港の定着防止へ調査と防除 ヒアリ確認の経緯と数字

港のコンテナと、ヒアリを調べる虫眼鏡のイラスト。広げないために、調べ続ける

環境省と愛媛県、松山市は2026年9月9日、松山港で8月16日にヒアリの脱翅女王アリ2個体と羽アリ1個体を確認したと発表しました。働きアリは累計1,880個体以上です。発表では、国などが発見場所の調査と防除を続け、定着防止に取り組むとしています。

女王アリ2個体は、遺伝子解析で単女王型の遺伝子型と分かりました。侵入した集団全体が単女王型か多女王型かは、詳しい解析が続いています。多女王型と分かった場合、環境省はすぐに公表するとしています。

ヒアリは「要緊急対処特定外来生物」に指定されています。まん延すると、生態系などに著しく重大な被害が出るおそれがある生物です。見つかった場合は、拡散を防ぐ措置を緊急にとる必要があります。

目次

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確認数の推移と累計

きっかけは、7月26日の全国港湾調査でした。場所は松山市外港地区の国際物流ターミナル(大可賀3丁目)です。コンテナを置く区画で、地面の割れ目などを出入りする疑わしいアリ約250個体が見つかりました。翌27日には県や市なども現地で確認し、約300個体を発見しました。専門家がこのアリをヒアリと確認しています。

最初の2日間に見つかった働きアリは、約550個体です。8月2日からは環境省が緊急防除を行い、さらに働きアリと女王アリが見つかりました。

公表された確認数の推移|いずれも2026年
確認日 見つかった個体
7月26日 働きアリ約250個体
7月27日 働きアリ約300個体
8月2日 働きアリ約1,000個体以上
8月9日 働きアリ約300個体
8月16日 働きアリ約30個体、脱翅女王アリ2個体、羽アリ1個体

出典:松山市の確認状況(9月9日)。日ごとの数は、各調査で確認した数です。

環境省は累計を「働きアリ1,880個体以上、脱翅女王アリ2個体、羽アリ1個体」と分けて示しています。松山市の9月10日更新の一覧では、発見数は「約1880以上」、状況は「7月26日〜防除中」です。女王アリと羽アリは、働きアリとは別に数えています。

今後は、環境省が発見場所で調査と防除を続けます。愛媛県と松山市は、事業場の周辺を定期的に調べます。松山市の7月28日の発表でも、周辺の事業場への注意喚起と定期的な調査が今後の対応に挙げられていました。1回ごとの確認数は、区域全体に残る数とは別です。最新の状況は、環境省と松山市の発表で確認できます。

女王2個体は単女王型

8月16日に見つかった「脱翅女王アリ」は、翅が落ちたとみられる女王アリです。女王が複数いたため、環境省は多女王型の侵入かどうかを調べることにしました。8月19日に、国立環境研究所へ2個体の遺伝子解析を依頼しています。

松山港で確認された、翅の落ちたヒアリの女王個体
松山港で確認された脱翅女王アリ。解析の対象は2個体で、いずれも単女王型の遺伝子型でした。写真:環境省/出典:9月9日の報道発表。

解析は8月21日に始まり、9月1日に終わりました。結果、2個体は単女王型の遺伝子型を持つと分かりました。侵入した集団全体の型については、さらに詳しい解析が続いています。多女王型と分かった場合、環境省はすぐに公表する予定です。

追加の解析結果や周辺調査の状況は、環境省の発表と松山市の確認状況で確認できます。

発見時は相談窓口へ

一般の人が疑わしいアリを見つけたら、環境省の「ヒアリ相談ダイヤル」(0570-046-110)に連絡します。最寄りの市区町村や都道府県の環境部局でも相談できます。相談ダイヤルの受付は、土日祝を含む毎日午前9時から午後5時までです(12月29日〜1月3日を除く)。通話料は発信者の負担です。チャットボットの自動案内は24時間365日利用できます。

  • アリが少ない場合:スプレー式殺虫剤などで駆除します。死骸でも素手で触らないようにします。
  • 集団や巣を見つけた場合:刺激せずに、すぐ連絡します。つついたり踏んだり、殺虫剤や熱湯をかけたりするのは避けます。

ヒアリと特定されるまでは、毒餌を置くのは控えます。在来のアリなどを減らすと、かえってヒアリが定着しやすくなるためです。写真の撮り方などは、公式の相談窓口で案内しています。

日本で見つかったヒアリは、輸入コンテナや貨物に付いて入ってきています。環境省は主要な港湾を調べ、輸入・輸送・保管に関わる事業者とも連携しています。2023年6月に施行された対処指針も、その仕組みのひとつです。

松山港での発見を受け、環境省は関係機関に次の対応をあらためて求めました。

  • 発見場所とその周辺を点検する。
  • 疑わしいアリがいたコンテナや積荷から逃げ出すのを防ぎ、速やかに連絡する。
  • 関係機関による調査に協力する。
図解:調査、防除、継続確認を繰り返して定着を防ぐ3つの工程
調査・防除・継続確認の関係を示す図解。この3つを繰り返し、周辺での定着を防ぎます。

コンテナでアリを見つけた事業者は、まず刺激を避けて、アリの場所と数を確かめます。少数で逃げ出すおそれがなければ、市販のスプレー式殺虫剤で駆除し、環境省の地方環境局などに連絡します。多数いる場合は扉を閉めて静置し、速やかに連絡します。

疑わしいアリが付いた貨物には、移動制限や移動禁止の命令が出る場合があります。ヒアリと特定された後は、消毒や廃棄の命令が出ることもあります。担当する物品や作業に応じた措置は、環境省の事業者向け案内で確認できます。

外来種対策は、見つけてから見守り続けるまでが一続きです。種類を調べるときは、生態系被害防止外来種リストの読み方も参考になります。

この記事は2026年9月9日の発表と、同年10月16日に確認した公式案内をもとにしています。

出典:環境省「松山港におけるヒアリの確認について」(9月9日)、松山市の初回発表(7月28日)、本文中の松山市・環境省の案内。

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この記事を書いた人

国内外の前向きなニュースを、公的機関・研究機関・当事者の公式発表など確かな出典をもとに紹介しています。記事は元の発表を確認したうえで独自の日本語でまとめ、誤りが分かった場合は訂正します。

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