埼玉県は2026年10月19日、屋根の無料点検を持ちかけて工事を勧誘していた訪問販売業者「株式会社一条建設」に、特定商取引法に基づく業務停止命令3か月を出しました。期間は10月20日から2027年1月19日までです。代表取締役にも、同じ範囲の業務を新たに始めることを禁じる命令が出ています。
県の発表によると、同社は実際には屋根に不具合が出ていないのに、直ちに修理が必要であるかのように告げていました。
Googleで「イヤシロニュース」を優先ソースに追加追加 ›
何が止まった?|処分の中身
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| 事業者 | 業務停止命令3か月(10月20日〜2027年1月19日)。訪問販売の役務提供契約について、勧誘・申込みの受付・契約の締結を停止 |
| 事業者 | 指示:違反の原因を調べて1か月以内に文書で報告。再発防止策と社内の体制を、業務を再開する1か月前までに文書で報告 |
| 代表取締役 | 業務禁止命令3か月(同じ期間)。停止を命じた範囲の業務を新たに始めること、その業務を担当する役員になることを禁止 |
停止の対象は訪問販売の屋根修繕工事などの契約です。同社は2024年4月の設立で、営業所は埼玉県八潮市にあります。
手口と違反|「浮いている」と告げるだけ
県の発表では、同社は消費者宅を訪ね、まず屋根の点検を勧めます。点検のあとで有償の修繕工事を勧誘し、契約を結んで工事をしていました。違反は2つです。
- 勧誘目的の不明示(特商法第3条):屋根の剥がれ・欠損・浮きなどを告げるだけで、工事契約を勧誘する目的だと明らかにしていなかった
- 不実告知(同第6条第1項第6号):実際には不具合がないのに、直ちに修理が必要な不具合があるかのように告げた
屋根に上れない側は、不具合を自分で確かめにくい。業者の言う「不具合」を確かめにくい点が、この手口の弱みです。

これまでの経緯|同じ手口は過去にも
屋根の点検を口実にする訪問販売は、以前から行政処分が続いています。東京都は2024年3月26日、「瓦がずれていて危ない」などと嘘を告げてリフォーム工事を勧誘した事業者2社に業務停止命令を出しました。都の発表は、この手口の特徴を「突然訪問して屋根などの不具合を見つけた、見てあげると声を掛ける」「直ちに修理が必要でないのに、すぐ工事をしないと危険だと不実を告げる」と整理しています。今回の埼玉県の事例も、同じ型です。
埼玉県は、行政処分を受けた事業者を特定商取引法等の処分事業者一覧(令和8年度)で公開しています。
訪問で点検を勧められたら|県が示す手順

- 安易に点検を受けない:突然の訪問で無料点検を持ちかけられても、受けないようにします
- その場で契約しない:点検を受けた場合も、契約内容と金額を十分に比較・検討します
- おかしいと感じたら相談:お住まいの自治体の消費生活相談窓口へ。消費者ホットライン「188」(市外局番なし)で最寄りの窓口につながります
すでに契約した人が解約できるかどうかは、個別の事情で変わります。県の発表には、解約や返金の扱いは書かれていません。心当たりがあれば、188で相談してください。
まだ分からないこと
県の発表には、被害にあった人数や契約の件数、金額は載っていません。処分を受けた同社が命令をどう受け止めているかも、発表からは分かりません。命令の期間が終わったあとに営業が再開されるかは、1月までに提出される再発防止策の報告しだいです。
暮らしの契約を守る別の動きは、アゴダの規約9条項をめぐる和解の記事でも読めます。
この記事は2026年10月19日の埼玉県の発表をもとにしています。
出典:

