予約サイト「アゴダ」の利用規約をめぐり、適格消費者団体の埼玉消費者被害をなくす会と運営会社の間で、2026年7月16日に裁判上の和解が成立しました。消費者庁が10月16日に公表しています。「一切の責任を負わない」「理由なくキャンセルできる」などの9条項について、アゴダ側は使用を停止したことを確認し、今後も使わないと約束しました。
ただし、これは裁判所の判決ではなく和解です。条項が無効だと裁判所が判断したわけでもありません。この記事では、9条項の中身、提訴から和解までの経緯、まだ分からないことを、消費者庁の公表資料で整理します。
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何が決まった?|使用停止と今後の不使用
和解条項の柱は、次の4点です。
- アゴダ側が、対象の各条項の利用を停止したことを、双方で確認する
- アゴダ側は、今後これらの条項を利用しない
- 団体は、その余の請求を放棄する
- 訴訟費用は、各自が負担する
相手方は、Agoda Company Pte. Ltd.と、日本法人のAgoda International Japan株式会社です。原告は、消費者全体の利益のために事業者の不当な契約条項の差止めを求められる、適格消費者団体です。
9つの条項は何を定めていた?
団体は、9つの条項が消費者契約法の第8条第1項または第10条に当たり、無効だと主張しました。第8条は事業者の責任を免除する条項、第10条は消費者の利益を一方的に害する条項を扱います。
| 条項 | 規約の定め(要旨) |
|---|---|
| ①〜③ | 品質や結果の保証を否定し、アゴダの賠償責任を全部免除する。どんな法的根拠でも責任を負わないとする。宿泊施設の関係者から受けた損害も免除する |
| ④⑤ | アゴダに故意や重過失がある場合も責任を一部免除する。救済措置が違法な場合でも、免除に同意するとする |
| ⑥ | 過大請求・誤請求の返金は「可能な限り早く」申し立てる。「不当に遅れた」申立ては無効とみなされる場合がある |
| ⑦ | 予約リクエストを理由なく拒否できる。成立した契約の効力も理由なく否定できる |
| ⑧ | アゴダの裁量で、消費者の不当利得返還請求権を消滅させられる |
| ⑨ | 消費者に過失がなくても、弁護士費用を含む損害の補償を広く求める |
和解の別紙には、対象の条項として「利用規約バージョン6.1(施行日2025年11月3日)」の該当部分が載っています。賠償責任を認める場合の上限を、旅行商品の合計額と250米ドルの低いほうとする定めも含まれます。
たとえば⑥は、期間が数字で書かれていません。資料に載る団体側の理由は、通常は数週間から数か月と読め、民法が定める期間とは読み取れないとしています。いつまでに申し立てればよいか、利用者には分からない書き方でした。
これまでの経緯|相談から和解まで約7年

きっかけは、2019年11月ごろの相談でした。読売新聞によると、利用者から「香港のホテルを予約したが宿泊できず、返金もされなかった」という相談が団体に寄せられました。全国の消費生活センターに聞き取ると、同様の苦情が複数あったといいます。
団体は2023年12月6日、さいたま地方裁判所に訴訟を起こしました。その後、2026年7月16日に和解が成立し、3か月後の10月16日に、消費者契約法に基づいて消費者庁が公表しています。
判決ではない|まだ分からないこと

公表資料の「無効である」という理由は、団体側の主張です。裁判所が各条項を無効と判断したわけではありません。一方で、事業者が対象の条項を使わないと約束した事実は、利用者にとって意味があります。
分からない点もあります。公表資料の「改善措置情報」は「なし」で、現在の規約がどう書き換わったかは読み取れません。使わないと約束した条項の代わりに、どんな文言が置かれたのかも、この資料だけでは確認できません。最新の規約は、アゴダの規約ページで読めます。
予約でトラブルになったら|相談先は
海外の宿泊施設や航空券の予約でも、困ったときの相談先はあります。個別の判断は、窓口に状況を伝えて確かめてください。

- 消費者ホットライン「188」:最寄りの消費生活センターなどにつながります
- 予約の記録を残す:確認メール、支払いの明細、やり取りの画面を保存しておきます
- 早めに連絡する:返金の申立てに期限がある場合があるため、気づいた時点で申し出ます
消費者団体による差止請求の仕組みは、消費者庁の消費者団体訴訟制度(COCoLiS)のポータルサイトで案内されています。暮らしを守る別の動きは、生活保護の減額に関する最高裁判決の記事でも読めます。
よくある質問
アゴダの規約は、いまは問題がなくなったのですか?
和解で、対象の9条項は使わないと約束されました。ただし現在の規約全体が適法かどうかは、この公表資料からは分かりません。
この和解で、過去の返金は受けられますか?
和解条項は、条項の使用停止と今後の不使用を定めたものです。個々の利用者への返金や賠償は定められていません。困っている場合は、消費者ホットライン188に相談してください。
この記事は2026年10月16日の消費者庁の公表をもとにしています。
出典:消費者庁「裁判上の和解について」(2026年10月16日)/消費者庁の公表資料(PDF)/読売新聞(2023年12月8日)

