噴火でリセットされた西之島 海鳥の子育てとコケの胞子、噴火後初の巻貝を確認

噴火の島の溶岩の上で寄り添う海鳥の親子と、空を飛ぶアジサシ、岩場の小さなコケと巻貝を描いたイラスト

噴火で生きものがいったん姿を消した島に、命が少しずつ戻ってきています。環境省は2026年10月2日、小笠原諸島の西之島で7月22日から29日にかけて行った「令和8年度西之島総合学術調査」の結果概要を公表しました。

西之島では2019年12月以降の火山活動で、それまで生きものが暮らしていた島の全体が溶岩や火山灰に覆われました。生きものがいない状態から生態系がどう育っていくのかを確かめるため、環境省は毎年この島を調べています。

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海鳥の子育てが続き、減った鳥も戻った

  • 5種の海鳥の繁殖:カツオドリ、アオツラカツオドリ、クロアジサシ、オオアジサシ、セグロアジサシが島で子育てをしていました。
  • セグロアジサシの大幅な増加:昨年は数が激減しましたが、今年は大きく増えたことが確認されました。

カツオドリなどは数がおおむね安定している一方で、セグロアジサシの集団はまだ不安定な状態で推移している可能性があると、環境省は説明しています。

コケが胞子をつけ、噴火後初めての巻貝も

  • コケの胞子体:藻類やコケが育っており、コケには繁殖の証拠となる胞子体も見つかりました。
  • オガサワラタマキビ:波打ち際では貝やカニなど6種(死骸を含む)を確認し、このうちオガサワラタマキビという巻貝は2019〜2020年の大噴火後で初めての確認です。
  • ハサミムシ:今回初めて島の南側でも見つかり、島のふちに広く暮らしていることが分かりました。

一方で、昨年コケなどが見つかった溝は浸食で消え、昨年確認されたシダは今年は見つかりませんでした。環境省は、生きものが入ってきては消えることを繰り返しながら、島の生態系が少しずつ移り変わっている証拠だとしています。

人の影響を避けながら見守る

今回は島の北部に無人探査機やカメラ、地震計を試験的に置き、衛星通信で遠くから海鳥の子育てや夜の虫のようす、火山の活動を観察できるようにしました。新しく生まれつつある生態系に外から生きものを持ち込まないよう、島への上陸には決まりがあり、今回の調査もその手順に沿って行われました。

集めた試料やデータはこれから解析されるため、この先どの生きものが根付いていくかはまだ分かりません。調査で撮影された海鳥や島のようすは、環境省が公開した動画で見ることができます。

この記事は2026年10月2日の環境省の発表をもとにしています。

出典:環境省「令和8年度西之島総合学術調査結果概要について」(2026年10月2日)

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この記事を書いた人

国内外の前向きなニュースを、公的機関・研究機関・当事者の公式発表など確かな出典をもとに紹介しています。記事は元の発表を確認したうえで独自の日本語でまとめ、誤りが分かった場合は訂正します。